去年ツールを仮作成してやってみた企画ですが、未開拓分野であるが故に見つかりづらく、YouTube的には「現状ゼロから視聴者を増やすのには向かない」と判断したので一旦続きは保留にしていたものですが、普段見てくれている視聴者さんからはウケが良く、ネタの質としては十分高いと思うので、ブームが作れれば一気に面白い配信が増えるだろうなぁと感じています。
以下の動画が配信の一部を編集したものです。
現状投げっぱなしにはなっていますが、改めてこの縛りにはかなりのポテンシャルを感じているので、もう少し広められるように頑張ろうと思い立ってこの記事を作成しました。
まず発言縛りとは何(どんなルール)なのか
発言縛りはその名の通り「特定の禁止ワードを発言したらアウト」となる縛りのことです。この縛りは安価で縛り案を募集できたり、コメントで発言を誘発できたりと半視聴者参加型のネタとして配信黎明期のニコニコから行われてきた定番の縛りです。ですが、配信で行うにはいくつか難しい点も存在しました。
- 実際にNGワードを発言したかどうかの確認を自分で確実に行う手段が無い。
- 視聴者への依存度が高く、コメントがないとやりづらい。ちょっとして欲しくないコメントも無視しづらい。
- コメントを見ながらゲームをするのが難しい場面もあるため、読み上げツールが必須級。
- 本人の発言の意図と視聴者が聞き取った意図が異なる場合があり、その証明ができない。
(例:数字の発言禁止の時に「いち」を「位置」という意味で発言したつもりが、視聴者側は「数字の1」だと思って指摘が入るなど) - 視聴者もNGワードの発言を聞き逃さないようにしないといけないので、「ながら観」がしづらい。
特に現代の配信はテレビにも並ぶような一般向けコンテンツとなってきたことからカジュアルな視聴者層も増えたため、(一概には言えませんが)「配信は配信者が視聴者へ提供するもの」という形式が中心となっており、良くも悪くも「配信者と視聴者が一緒に配信を作りあげる」という空気感は昔よりも減ってきたように思います。結果、このようなスタイルの縛りプレイに関しては廃れてきているのが現状です。
発言チェックをAIに任せることによる改善点と新たな面白さ
現在は技術の進歩により、喋った内容を文字起こししてくれるライブラリ・アプリ等がたくさんあるため、これを駆使して発言内容にNGワードが含まれていないかを自動で判定してもらうことが可能になりました。そのため、全てを配信者側で自己完結することが出来るようになったため、発言縛りを行う難しさ自体はかなり軽減できるようになり、とっつきやすくなったと感じます。
そして、AIを使うことによって新しい面白さも生まれました。ここが重要です。
- 自分の発言内容の確認が随時可能。
- 自動で文字を変換してくれるので、漢字の縛りが可能に。カタカナ禁止等の縛りも可能。
- 毎回変換のしかたが違う地雷ワードが存在する。
(例:だめ/ダメ/駄目 豚/ブタ アップル/Apple など) - 話し方によってはAIが聞き間違いをすることによる免罪や冤罪が発生する。※最重要
- NGワード発言時にどのワードが引っかかったのか表示させられる。演出の追加も可能。
文字起こしAIと言っても万全ではなく、そこそこ精度は高くてもだいぶ見当違いな変換をすることもあります。この不完全さが免罪や冤罪を生み、時にはとんでもないパワーワードが生成されることもあるのでこれが非常に面白いです。しかもやっているうちにだんだんAIの癖が分かってくるので、NGワードを言ってしまったあとに気づいて関係ない言葉を続けて強引に別のワードへの変換を狙って免罪を誘ったり、意図しない変換をされやすいワードを避けて発言したりとAIを攻略していく要素もあります。
それでもどんなに回避しようとしても不意の誤変換による冤罪でアウトになってしまう理不尽さ・シュールさが面白く、盛り上がりポイントでもあります。
AI発言縛りのツールについて
試験的に作成したツールについてはritの研究室のページに置いてあります。音声認識NGワード縛り切り替え式というのがそのまま使用できるツールになります。
使用時はブラウザ側からマイクの使用許可を求められますので、許可してください。該当のマイクはPC側で規定の録音デバイスに指定したものなので、事前にご確認ください。マイクの音声はブラウザ内でのみ利用され、サイト側で取得等はしていませんのでご安心ください。
縛り対象にしたいセットにチェックを付けて「セットを更新」ボタンを押すと、該当のワードセットがNGワードに指定されます。開始を押すと文字起こしがスタートします。NGワードを発言するか、停止ボタンを押すと文字起こしがストップしますので、改めて開始ボタンを押してスタートしてください。
ブルーバックになっていますので、ブラウザを画面キャプチャして色を抜いてご利用ください。
もっとちゃんとしたツールが欲しい!という声があれば待ってます
このツールは試験的なもので、他の利用者を考慮せずに作成したため、現状かなり簡素な形での開発となっております。画面キャプチャをせずに直接OBSに取り込んで背景透過を自動で行ってくれるようにしたり、ルーレット機能を付随させたり、演出の強化など様々な進化の余地を残しています。なら最初から作れよ!って話になると思うのですが、実現しようとするとマイク音声を取得するルートを工夫する必要があるなど少し面倒な点があり、現状開発するコストに対してどれだけの方に楽しんでいただけるのかという予想が出来ていないので、更新に力を入れられていないのが現状です。
もし使ってみたい方・興味のある方がおりましたら、ritのX(Twitter)や配信・動画のコメントなどでご連絡ください。要望が多ければちゃんとしたツールとして開発することも検討しますし、個人の要望に沿って個別に作成することも可能です。全ての要望にお応えできる保証は出来ませんが、依頼に対してこちらから対価を要求することもしませんので、「やって欲しい」という事があればお気軽にご連絡ください。(とにかく開発する価値があるという証明が欲しい・・・)